国境離島等振興特別措置法案(仮)理念


 国境離島は、我が国領土の外縁に位置し、海を介して他の国々と接しており、さまざまな面で他国の政治・産業・経済活動等の影響を最初に受ける最前線の領土である。また、これらの多くは本土から遠く離れており、「隔絶性」から生じる経済的な不利条件が顕著に表れる地域でもある。
 また、これらの地域は、密航、密輸等を防止する国境監視の拠点であり、排他的経済水域の保全、海洋エネルギー・海底資源などの国家権益確保や日本の海域の安全保障と海上安全の確保など、我が国の領域保全という観点及び、外国由来の漂流漂着ゴミや大気汚染等の本土への環境影響をいち早く認識することができることから、国益上非常に重要な地域となっている。
 さらに、自然災害等の際の避難船等の受け入れなどの国際協力の場、古代からの大陸とのつながりに基づく豊かな伝統文化・歴史・自然遺産を活用した国際交流の場としての役割を有している。
 なお、国境離島の周辺に位置する外洋離島においても、国境離島と同様の性格を有している。
 しかし、これら国際離島等をとりまく状況は厳しく、高齢化の進行や若年者の流出に伴い、人口減少に歯止めがかからず、基幹産業である農林水産業は年々衰退している状況である。今後、このような状況が続けば、住民不在の地域が拡大し、居住者が存在することによる抑止的な国境監視機能が十分に働かず、不法入国の可能性が増すなど我が国の領土保全、ひいては国防にまで甚大な影響が考えられる。
 このように、国境離島等を保全していくことは国家的な課題であり、そこに国民が住み、生活していくことができる環境を保っていくことは国益を守るための国の責務である。そのためには、現在実施されている離島振興の枠を超えた抜本的な各種施策を早急に講じる必要がある。






トップへ戻る