「防人の島新法」制定へ“たたき台” - 2009/06/03


 長崎県対馬市で過疎化が進み、韓国資本が一部不動産を買収などしている問題で、超党派の国会議員でつくる「国境離島対策プロジェクトチーム(PT)」(最高顧問・平沼赳夫衆院議員)は2日、経済対策や国境離島政策について関係省庁の担当者らからヒアリングを行い、衆院法制局からは、国境離島問題を解決するための「防人(さきもり)の島新法」(通称)の素案が示された。PTはこの案を“たたき台”として新法制定に向けた作業に入ることで意思統一したが、今後のスケジュールや検討内容については、会長の中川昭一前財務相に一任された。

 衆院法制局の担当者は、新法制定の前提として、本土から離れた「隔絶性」▽国境であること▽外国資本による不動産買収−など、対馬を対象地域とする特殊事情の存在が必要と指摘。

 その上で、現在の離島振興法に基づく施策に加え、自衛隊施設の設置や自衛隊施設周辺の土地買い上げ措置、公共施設の整備や国際会議の誘致など観光振興の具体策、地域リーダーなどの人材育成、本土に比べて割高となる燃油価格対策、特定事業についての補助率のかさ上げ−などを盛り込む案を提示した。

 さらに、「対馬も対象となっている現在の離島振興法と、新法を一本化するほうが(法整備上)分かりやすい」(衆院法制局担当者)とした。

 また、外国人による不動産取得規制については、対馬を対象とする特別措置を新法で規定する場合、サービス貿易協定や日韓投資協定など条約との関係上、課題があるとの認識を示し、具体的な措置の規定とするのか、国に対して外国人による不動産取得を規制するための施策を講ずることを義務づける規定にするのか、PT側の判断を求めた。

 副会長の山谷えり子参院議員が「対馬は安全保障上、他の島とは全く違う。新法をつくっても(日本人の名義を使った)ダミー取得を規制できないと意味がない」と指摘したのに対しては、法制局側は「外為法で資金の流れをチェックすることになるが、完璧(かんぺき)にできるかどうか分からない」と述べるにとどまった。

 また、同担当者は自衛隊施設周辺の土地の買い上げだけでなく、対馬振興基金をつくり、基金が対馬地域の振興事業に対して補助を行うことも考えられないか、提案した。

 一方、国土交通省、資源エネルギー庁からは、離島航空路線の維持について、航空機の購入や運航、ナビゲーションシステム購入への補助などの支援策を取っていることや、割高な燃油価格を引き下げるため、地元業者を交えて共同配送といった合理化計画の策定を進めていることなどが報告された。

 韓国の航空会社がソウルと対馬を結ぶ直行便の運航を計画していることについては、国交省は、チャーター便申請の事前相談を受けていることを認めた上で、今月中、下旬から8月下旬にかけて週3便の運航が計画されていると報告。週5便でスタートする定期便の就航とした航空会社側の説明を否定したが、「安全性に問題がなければ基本的に(運航は)自由。事前審査では安全性に特段の問題はない」と説明し、許可せざるを得ないとの見通しを示した。

 平沼最高顧問は「(離島を)いかに経済支援をしていくか。そのためには、どういう法律をつくっていくかが大きな課題だ。ガソリンの値段などでも特別措置がされるべきで、国境を守る島には特別な配慮を考えなければならない」と述べた。


抜粋 産経ニュース




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